強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
ガチャ、とドアが開き、その隙間からにゅっと手が伸びてくる。

「っはいはい!」

その手に買ったばかりのパンツの袋を握らせる。

「さんきゅ!」

そしてするするドアの向こうに戻っていく手。


あぁ、ダメだ…

部長に完全に調子を狂わされている…


着替え終わって出て来た部長は、髪から水を滴らせていた。

普段は後ろに流している髪が今はさらりと下に流れていて、額にかかる前髪もなんだか色っぽい。

いちいちドキッとしてしまうのは、普段の部長の姿とは別の姿を見せられているからだろうか。


「ちゃんと拭かないとダメですよ!乾かしてあげますからこっち来て下さい」

そう言ってリビングのソファーに部長を座らせ、タオルドライした後洗面所から持って来たドライヤーで後ろから乾かしてあげる。

部長、思ったよりも柔らかい髪質なんだな。

そんなことを思っていたら、

「…なぁ三好。お前、歴代の彼氏の髪もこんな風に乾かしたことあんの?」

不意に尋ねられた。

「え?まさか!こんなの初めてですよ。だって部長病み上がりなのにびちょびちょなんですもん」
< 71 / 158 >

この作品をシェア

pagetop