強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
「なんで三好にキスしたか?それ、俺が向井に答える義務ある?」

部長に冷たく突き放されて、向井の顔が苦しそうに歪む。

「……っ!俺はっ。この前三好に告白されて…でもまさか三好が俺のことそう言う意味で好きでいてくれたなんて思わなくて…なんつーか、三好は俺の中でも特別だけど、彼女とか、そういうんじゃないと思ってて……」

向井が、慎重に言葉を選んでいるのが分かった。

向井は、何を言おうとしているんだろう……

「…でも、同期会で小野が三好に冗談で俺たち付き合うかって言った時、適当に手ぇ出したら許さねぇって思って。
じゃあ本気ならいいのかよって言われて考えたけど、本気だったとしても三好はやれねーって。…女の独占欲みたいなのにうんざりして特定の彼女作ってこなかった俺が、まさか三好に独占欲感じて、部長にまで嫉妬するとか…」

「…取られそうになって気付いた?……遅ぇ。遅ぇよ、向井」

ギリっ!向井の歯を食いしばる音が聞こえてきそうだった。

…そして私は呼吸をするのも忘れるくらい動揺していた。

一体今、何が起こっているの…
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