強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
「…俺は1年前、3人で飲んだあの日から三好が向井を好きなことに気付いてたし、向井も多分自覚はしてねーけど三好のこと好きなんだろうなって思ってたよ?…向井、知ってた?お前、三好の話する時、すげぇ優しい顔すんの」

優しい顔…

向井が、私の話をする時に?

「俺は、女と適当にしか付き合ってこなかった向井にそんな顔させる女がどんな奴なのか気になって、あの日三好を呼んでもらったんだ。最初はただの好奇心だったのにな。気が付いたら俺もまんまとハマっちまったって訳だ」

部長がくしゃっと頭を掻いた。

その時おもむろに2次会会場の扉が開き、中の喧騒が廊下に放出される。 

『Bの11、Bの11です!ビンゴの方、いませんかー⁉︎』

まだ、ビンゴ大会は続いているようだ。

出て来たのは、知らない人だった。


ドッドッドッドッ。

心臓が壊れそうなくらい激しく脈打っている。

これは、夢…?

だって、こんなの、向井も部長も私のことを好きだって言ってるように聞こえるよ…?

「…自業自得、って奴ですか」

はは。向井が力なく自嘲気味に笑う。
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