神殺しのクロノスタシスⅢ
…なんて思ってた時期が、俺にもありました。
「はーっ、はーっ…」
「…あのさぁ、ツキナってさぁ」
「はふぅ~…」
「…控えめに言って、めっちゃ弱いね」
「あうっ!!」
涙目のツキナ。
ごめんね。
舐めてかかっても、全然余裕だったよ。
何なら、魔法を使うまでもない。
体術だけでも、充分勝てそう。
だって、ツキナって。
「ま、まだ負けてないもんっ!火を出すからね!とりゃーっ!」
ツキナの杖が火を吹く。
その火力、精々ガスバーナー程度。
俺はひょいっと避けて、ツキナの右足首辺りを、ドスッと足払い。
「きゃんっ!」
ワンコみたいな声をあげて、ころんと転ぶ。
弱っ。
「はい、しゅーりょー」
ワンパンKO、どころか。
ワン足払いKO。
「ま、まだまだっ…」
しかし、諦めが悪い。
諦めが悪いのは良いことなのだが。
「今度は氷を出すからねっ!てりゃーっ!」
ピキピキピキ、とツキナの杖から氷のつぶてが放たれる。
ちょっと大きめの雹が、四つ飛んできた。
ポーンと、ボールを投げるみたいな速度で。
ひょいひょいひょいひょい、と順番に避けて。
床に転んだままのツキナの、背中の上に腰掛けた。
「ふー。やれやれ、ここに丁度良い椅子が…」
「うわぁぁぁぁん椅子じゃないもん、椅子じゃないもん!退いてよぉぉ」
「なんかうるさい椅子だなー」
「そんなことするんだったら…!食らえっ!風魔法だ!」
「あー。爽やかな心地よい風を感じるなー」
「ふぇぇぇぇん」
この子、本当に魔導師?
弱いとか、もうそんな次元じゃないよ。
「降参した?」
「してないっ!」
「そっかー。じゃあ降参したくなるようにしてあげよう」
「ふぇ?」
俺は、にやりと魔性の笑みを浮かべ。
うつ伏せになったツキナの脇の下に、手を伸ばした。
古来から行われている、拷問術。
くすぐり攻撃、発動。
「ぷきゃははははぇ!にゃははははやめれぇ。くしゅぐっ…へにゃぁははは!」
「ふふふふ滑稽なり滑稽なり。降参した?」
「してにゃいっ!」
なかなか頑固だな。
ならば。
「じゃあもう容赦は必要ないね」
「ふぇ?」
「秘技。高速くすぐり」
「あはふひゃあはははは!ひゃすけてぇぇこうしゃんすりゅ、こうしゃんすりゅ~!」
こうして。
僅か一分にも満たず、ツキナは降伏条約に屈したのであった。
「はーっ、はーっ…」
「…あのさぁ、ツキナってさぁ」
「はふぅ~…」
「…控えめに言って、めっちゃ弱いね」
「あうっ!!」
涙目のツキナ。
ごめんね。
舐めてかかっても、全然余裕だったよ。
何なら、魔法を使うまでもない。
体術だけでも、充分勝てそう。
だって、ツキナって。
「ま、まだ負けてないもんっ!火を出すからね!とりゃーっ!」
ツキナの杖が火を吹く。
その火力、精々ガスバーナー程度。
俺はひょいっと避けて、ツキナの右足首辺りを、ドスッと足払い。
「きゃんっ!」
ワンコみたいな声をあげて、ころんと転ぶ。
弱っ。
「はい、しゅーりょー」
ワンパンKO、どころか。
ワン足払いKO。
「ま、まだまだっ…」
しかし、諦めが悪い。
諦めが悪いのは良いことなのだが。
「今度は氷を出すからねっ!てりゃーっ!」
ピキピキピキ、とツキナの杖から氷のつぶてが放たれる。
ちょっと大きめの雹が、四つ飛んできた。
ポーンと、ボールを投げるみたいな速度で。
ひょいひょいひょいひょい、と順番に避けて。
床に転んだままのツキナの、背中の上に腰掛けた。
「ふー。やれやれ、ここに丁度良い椅子が…」
「うわぁぁぁぁん椅子じゃないもん、椅子じゃないもん!退いてよぉぉ」
「なんかうるさい椅子だなー」
「そんなことするんだったら…!食らえっ!風魔法だ!」
「あー。爽やかな心地よい風を感じるなー」
「ふぇぇぇぇん」
この子、本当に魔導師?
弱いとか、もうそんな次元じゃないよ。
「降参した?」
「してないっ!」
「そっかー。じゃあ降参したくなるようにしてあげよう」
「ふぇ?」
俺は、にやりと魔性の笑みを浮かべ。
うつ伏せになったツキナの脇の下に、手を伸ばした。
古来から行われている、拷問術。
くすぐり攻撃、発動。
「ぷきゃははははぇ!にゃははははやめれぇ。くしゅぐっ…へにゃぁははは!」
「ふふふふ滑稽なり滑稽なり。降参した?」
「してにゃいっ!」
なかなか頑固だな。
ならば。
「じゃあもう容赦は必要ないね」
「ふぇ?」
「秘技。高速くすぐり」
「あはふひゃあはははは!ひゃすけてぇぇこうしゃんすりゅ、こうしゃんすりゅ~!」
こうして。
僅か一分にも満たず、ツキナは降伏条約に屈したのであった。