神殺しのクロノスタシスⅢ
──────…あれまぁ。

学院長が気にしていた通りだ。

「えー、うん。じゃあテキスト一枚捲って…。うわっ、応用編じゃないですか。面倒くさっ…。とりあえずここはスキップして、もう一ページ捲っていきましょうか」

僕が、こんなにも丁寧に授業を行っているというのに。

あの人、全然聞いてない。

聞いてないどころか、非常に余計なことを考えている。

これは大変宜しくない。

まぁ、そりゃそうか。




「…心の重荷って奴を、簡単にストンと落とせるなら、人生こんなに苦労しないですからね」

僕は、声に出さずにそう呟いた。

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