神殺しのクロノスタシスⅢ
─────…僕は、本当に正しい判断をしているのだろうか?

キエルなら、キエルなら何て言うのだろう?

「私は死んだのに、あなただけ生き残って、平和に暮らしていくなんて」と罵るだろうか?

…そんなはずがない。

彼女が、そんなことを言うはずがない。

自分が生き延びることじゃなくて、友達を殺さないことを選んだ優しい彼女なら。

キエルなら、きっと…。

…僕が生きることを、笑って許してくれる。

…それなら。

「…僕は…僕は生きたい。生きて、死んだ人達の分も生きて、償っ、」


















…そんなことが。

許される人生なら、良かったのに。

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