神殺しのクロノスタシスⅢ
…そして。

俺とシルナ、天音が、ナジュを連れて医務室に向かっている間。

学院長室に残った、イレースと令月は。

「…『玉響』。生きてたら、仲良く出来たかもしれないね」

床に転がったままの、首の切断された『玉響』の遺体を前に、静かに佇んでいた。

「…悲しいですか。同朋が死ぬのは」

「昔は悲しくなかったよ。何処の誰が死んでも」

「…なら、今は」

「…今はね」

令月は、そっと。

見開かれたままのの、『玉響』の目を閉じさせた。

「…仲良くなりたかったな、って思う」

いつか、また生まれ変わることが出来たなら。

その時は。

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