神殺しのクロノスタシスⅢ
「…君が、あまり戦いを好まないことは知ってる」
「…」
シルナは、静かにそう言った。
「学院に来たら、多分嫌でも戦火に巻き込まれることになる。君には主に、生徒を守る役割を果たしてもらうつもりだから、前線には出さない。…だけど、それはあくまで『そのつもり』ってだけで、状況によると思う」
実際どうなるかは、まだ分からない。
『アメノミコト』がどう出てくるか。
また前みたいに、徒党を組んで攻めてくるのか。
それとも今度は、少数精鋭で忍び込んでくるのか…。
いずれにしても、令月を巡って、また血が流されるであろうことは、ほぼ確定だ。
血を見ることを嫌い、戦いを疎んでいる天音にとっては、辛いことを強いている。
それは、俺もシルナも分かってる。
だけど…。
…それ以上に、俺達は令月を…生徒達を守りたい。
「君にこんなことを頼むのは筋違いだって分かってる。『アメノミコト』に喧嘩を売ったのは私であって、これは私が背負うべき問題だ」
おい。この、馬鹿シルナ。
また、一人で自分の責任だと思い込んでやがる。
「そこに君を巻き込んでしまうのは、不本意だし、不甲斐ない。だけど…協力してくれないかな」
「…学院長…」
「…どうしても気が進まないなら、断ってくれても良いんだよ。シュニィちゃんに頼んで、別の人員を…」
「良いですよ。分かりました」
天音は、あっさりと。
夕飯のメニューでも決めるかのように、頷いた。
「…良いの?」
これには、頼んだ張本人のシルナもびっくり。
「はい。学院長には恩がありますし。聖魔騎士団に入ったときから、戦う覚悟は出来てます」
きっぱりと、天音はそう言った。
「それに…。学院に匿ってもらってた頃、恥ずかしながら教室で、生徒の前で取り乱してしまったこともあったし…。そのお詫びも兼ねて」
…あぁ。
あったね、そんなこと。
あれは仕方ない。仇と思ってた人間が、いきなり目の前に現れたのだから。
そりゃ取り乱しもする。気にするな。
「良かった。天音君が来てくれたら、百人力…」
「仇と同僚になっても良いんですか?」
「!?」
不意に。
ずっと黙っていたナジュが、口を開いた。
「…」
シルナは、静かにそう言った。
「学院に来たら、多分嫌でも戦火に巻き込まれることになる。君には主に、生徒を守る役割を果たしてもらうつもりだから、前線には出さない。…だけど、それはあくまで『そのつもり』ってだけで、状況によると思う」
実際どうなるかは、まだ分からない。
『アメノミコト』がどう出てくるか。
また前みたいに、徒党を組んで攻めてくるのか。
それとも今度は、少数精鋭で忍び込んでくるのか…。
いずれにしても、令月を巡って、また血が流されるであろうことは、ほぼ確定だ。
血を見ることを嫌い、戦いを疎んでいる天音にとっては、辛いことを強いている。
それは、俺もシルナも分かってる。
だけど…。
…それ以上に、俺達は令月を…生徒達を守りたい。
「君にこんなことを頼むのは筋違いだって分かってる。『アメノミコト』に喧嘩を売ったのは私であって、これは私が背負うべき問題だ」
おい。この、馬鹿シルナ。
また、一人で自分の責任だと思い込んでやがる。
「そこに君を巻き込んでしまうのは、不本意だし、不甲斐ない。だけど…協力してくれないかな」
「…学院長…」
「…どうしても気が進まないなら、断ってくれても良いんだよ。シュニィちゃんに頼んで、別の人員を…」
「良いですよ。分かりました」
天音は、あっさりと。
夕飯のメニューでも決めるかのように、頷いた。
「…良いの?」
これには、頼んだ張本人のシルナもびっくり。
「はい。学院長には恩がありますし。聖魔騎士団に入ったときから、戦う覚悟は出来てます」
きっぱりと、天音はそう言った。
「それに…。学院に匿ってもらってた頃、恥ずかしながら教室で、生徒の前で取り乱してしまったこともあったし…。そのお詫びも兼ねて」
…あぁ。
あったね、そんなこと。
あれは仕方ない。仇と思ってた人間が、いきなり目の前に現れたのだから。
そりゃ取り乱しもする。気にするな。
「良かった。天音君が来てくれたら、百人力…」
「仇と同僚になっても良いんですか?」
「!?」
不意に。
ずっと黙っていたナジュが、口を開いた。