神殺しのクロノスタシスⅢ
「はぁ…はぁ…」

「…だいじょーぶ?」

「…はぁ…。死にそう…。いや、死なないけど…」

すぐりさんも、あの状態を維持するのは大変らしいけど。

あの状態を打破しようとしている僕は、もっと大変だ。

本当に、死ぬほど集中力使う。

頭の中だけ、五分間息継ぎもせずに、フルスロットルで全力疾走してる気分。

こんなこと続けるの、僕が不死身じゃなきゃ、とっくに死んでるよ。

「ったく…。ここまで、やっても…ひっぺがせないとは…。僕無能なんですかね…」

「いやー、でも、だいぶ上達してるとは思うよ?少なくとも、あの状態五分キープ出来るようになってる訳だし…」

最初の頃は、一分程度でギブアップしてたもんね。

それに比べれば、上達したと言えなくもないが…。

「辿り着くだけじゃ駄目でしょう…。肝心なのは、仮面の裏を覗くことな訳で…」

「あー…。そうだね。そこで躓いてる感あるね」

「どうやったら外れるんですか?その仮面…」

「さぁ~…。外されたことないから分かんないや!」

ムカついた。

「絶対外す…。読心魔法使いのプライドに懸けて、絶対外す…」

「うんうん、頑張ってねー」

見てろよ。

その仮面の下、絶対引っ張り出してやるから。
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