神殺しのクロノスタシスⅢ
『…あなたじゃ駄目ですね』

記憶の中の僕が言った。

…そうですね。

駄目でしたね。あのときは。












『…あなたじゃ、僕の望みを叶えられない』

そうでしたね。

僕の望みは、僕を殺してくれる人間と出合い、リリスと再会すること。

そして、僕は。  

『殺戮の堕天使』は。

その為なら、いかなる手段も問わない、悪鬼だった。

そうだ。

僕の正体は、優しさと温かさに包まれた、幸せな人間じゃない。

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