神殺しのクロノスタシスⅢ
「言い訳するつもりはないが…本当に、そんなつもりはなかったんだ」
「…分かってますよ」
今も、あなたの心を見てますからね。
あなたが、自分の無意識の思いがどれほど僕を傷つけ、追い詰めたことかと。
酷く気に病み、後悔してるってことは。
いちいち言葉にしなくても、心を読めば、すぐに分かる。
心は素直だからね。
「でも、無意識に…そう思ってしまったのは、俺達も…ナジュの読心魔法に慢心してたからだ。お前一人に任せっきりにして、自分の洞察力を働かせることを怠ってた…」
…それは違う。
僕一人に任せっきりにされるのは、僕自身が望んだからだ。
あなた達の役に立ちたいから、頼りにされたいからって、そんな子供みたいな理由でね。
「その結果がこれだ。俺達が軽薄だったせいで、お前を追い詰めて、苦しめて…。そのことに気づきもせず…」
「…」
「本当に…悪かったと思ってる」
…知ってる。
「…大丈夫ですよ」
言葉にしなくても、心を読めば分かるし。
それに。
「自分も、同じくらい悪かったと思ってますから」
「…そうだな。お前も悪いな」
「そうですね」
皆に黙って、自分の限界を越える、危険な訓練を続けていた。
危うく、僕の記憶どころか、人格さえ消えてしまうところだった。
冷静になった今だからこそ、分かる。
あのとき、自分がどれほど焦りに駆られていたからか。
どれほど冷静さに欠けていたことか。
本当に、無謀なことしようとしたもんだよ。
リリスが必死になって、僕を引き留めたと言うのに。それさえ無視して。
申し訳なかった。
「何て言うか…。皆さん、本当済みませんでした」
僕が一人で暴走したせいで。
色んな人に、色んな迷惑と、色んな心配と、色んな不安を与えてしまって。
令月さんじゃないが、切腹して謝りたい気分だ。
切腹しても死ねないのだが。
「それを言うなら、きっかけを作った俺達が悪いだろ。無意識とはいえ、仲間を役立たずなんて…」
「あ、いやそれは、僕が慢心していたからで」
「そもそもそれは、俺が『慢心w』って煽ったせいなんだけどね〜」
「はいはい、もうやめにしよう」
謝罪合戦になりかけたところを。
シルナ学院長が、割って入った。
「お互い悪かった。反省してる。今後はもうしない。それで良いじゃない。丸く収まったんだし、もう終わりにしようよ。いつまでも引き摺ってても仕方ないよ」
「シルナ…」
…さすが、こういうときは学院長らしい。
「それより、楽しいこと考えよう。過去のことじゃなくて、未来のことを。その方がずっと楽しいよ」
…そうですね。
過去を、ちゃんと取り戻したから。
今度は、未来の話をしよう。
「…分かってますよ」
今も、あなたの心を見てますからね。
あなたが、自分の無意識の思いがどれほど僕を傷つけ、追い詰めたことかと。
酷く気に病み、後悔してるってことは。
いちいち言葉にしなくても、心を読めば、すぐに分かる。
心は素直だからね。
「でも、無意識に…そう思ってしまったのは、俺達も…ナジュの読心魔法に慢心してたからだ。お前一人に任せっきりにして、自分の洞察力を働かせることを怠ってた…」
…それは違う。
僕一人に任せっきりにされるのは、僕自身が望んだからだ。
あなた達の役に立ちたいから、頼りにされたいからって、そんな子供みたいな理由でね。
「その結果がこれだ。俺達が軽薄だったせいで、お前を追い詰めて、苦しめて…。そのことに気づきもせず…」
「…」
「本当に…悪かったと思ってる」
…知ってる。
「…大丈夫ですよ」
言葉にしなくても、心を読めば分かるし。
それに。
「自分も、同じくらい悪かったと思ってますから」
「…そうだな。お前も悪いな」
「そうですね」
皆に黙って、自分の限界を越える、危険な訓練を続けていた。
危うく、僕の記憶どころか、人格さえ消えてしまうところだった。
冷静になった今だからこそ、分かる。
あのとき、自分がどれほど焦りに駆られていたからか。
どれほど冷静さに欠けていたことか。
本当に、無謀なことしようとしたもんだよ。
リリスが必死になって、僕を引き留めたと言うのに。それさえ無視して。
申し訳なかった。
「何て言うか…。皆さん、本当済みませんでした」
僕が一人で暴走したせいで。
色んな人に、色んな迷惑と、色んな心配と、色んな不安を与えてしまって。
令月さんじゃないが、切腹して謝りたい気分だ。
切腹しても死ねないのだが。
「それを言うなら、きっかけを作った俺達が悪いだろ。無意識とはいえ、仲間を役立たずなんて…」
「あ、いやそれは、僕が慢心していたからで」
「そもそもそれは、俺が『慢心w』って煽ったせいなんだけどね〜」
「はいはい、もうやめにしよう」
謝罪合戦になりかけたところを。
シルナ学院長が、割って入った。
「お互い悪かった。反省してる。今後はもうしない。それで良いじゃない。丸く収まったんだし、もう終わりにしようよ。いつまでも引き摺ってても仕方ないよ」
「シルナ…」
…さすが、こういうときは学院長らしい。
「それより、楽しいこと考えよう。過去のことじゃなくて、未来のことを。その方がずっと楽しいよ」
…そうですね。
過去を、ちゃんと取り戻したから。
今度は、未来の話をしよう。