神殺しのクロノスタシスⅢ
夜の「会合」を行った、その翌々日のこと。
僕は、未だに続いている放課後学習会の為に、学院長室に向かった。
「見てほら!シルナカタツムリだよ!可愛いでしょ」
「…」
連日の、僕の不安や焦燥を嘲笑うように。
学院長は、何やらおかしな分身を作り上げていた。
手のひらに乗ったカタツムリを、嬉しそうに羽久に見せていた。
「…」
この羽久の、軽蔑しきった表情。
どうやら、カタツムリは好きではないらしい。
「イレースちゃん!ほら、カタツムリ!シルナカタツムリだよ!」
羽久が駄目ならと、イレース先生にカタツムリを見せる。
すると、イレース先生は冷たく一言。
「…季節的に、今カタツムリは出ません」
カタツムリと言えば、梅雨の時期だもんね。
今、春真っ盛りだよ。
「ぐぬぬ…。じゃあナジュ君!シルナカタツム、」
「えいっ」
「嫌ぁぁぁぁ!シルナカタツムリがぁぁぁ!!」
不死身先生は、容赦なくシルナカタツムリの目をデコピン。
本当に容赦ない。
「なんて酷いことをするの!」
「いや、面白いかなぁって…」
サイコパスだ。
「だって、他にどんな分身作れば良いの?思い付く分身は、とっくに量産したよ」
その通り。
今や、イーニシュフェルト魔導学院の敷地内は、シルナ・エインリー学院長の分身でいっぱいだ。
いつぞや僕を監視していた、シルナオオカマキリ以下。
シルナオニヤンマ、シルナトノサマバッタ、シルナアゲハ、シルナテントウムシ、シルナミツバチ等々。
様々な、学院長の分身がうようよしている。
何故昆虫に偏る?
「これで監視の目は完璧!不審者対策はバッチリだよ!」
「…」
皆、呆れた顔で学院長を見つめていた。
…監視の目は完璧、か。
果たして、本当にそうなのだろうか?
僕は、未だに続いている放課後学習会の為に、学院長室に向かった。
「見てほら!シルナカタツムリだよ!可愛いでしょ」
「…」
連日の、僕の不安や焦燥を嘲笑うように。
学院長は、何やらおかしな分身を作り上げていた。
手のひらに乗ったカタツムリを、嬉しそうに羽久に見せていた。
「…」
この羽久の、軽蔑しきった表情。
どうやら、カタツムリは好きではないらしい。
「イレースちゃん!ほら、カタツムリ!シルナカタツムリだよ!」
羽久が駄目ならと、イレース先生にカタツムリを見せる。
すると、イレース先生は冷たく一言。
「…季節的に、今カタツムリは出ません」
カタツムリと言えば、梅雨の時期だもんね。
今、春真っ盛りだよ。
「ぐぬぬ…。じゃあナジュ君!シルナカタツム、」
「えいっ」
「嫌ぁぁぁぁ!シルナカタツムリがぁぁぁ!!」
不死身先生は、容赦なくシルナカタツムリの目をデコピン。
本当に容赦ない。
「なんて酷いことをするの!」
「いや、面白いかなぁって…」
サイコパスだ。
「だって、他にどんな分身作れば良いの?思い付く分身は、とっくに量産したよ」
その通り。
今や、イーニシュフェルト魔導学院の敷地内は、シルナ・エインリー学院長の分身でいっぱいだ。
いつぞや僕を監視していた、シルナオオカマキリ以下。
シルナオニヤンマ、シルナトノサマバッタ、シルナアゲハ、シルナテントウムシ、シルナミツバチ等々。
様々な、学院長の分身がうようよしている。
何故昆虫に偏る?
「これで監視の目は完璧!不審者対策はバッチリだよ!」
「…」
皆、呆れた顔で学院長を見つめていた。
…監視の目は完璧、か。
果たして、本当にそうなのだろうか?