神殺しのクロノスタシスⅢ
多分、学院長は特別、きゅうりの一本漬けが好きな訳ではないと思うが。

「甘いものが駄目でも、きゅうりなら良いんじゃないかな」

「それは良いと思うけど…」

お菓子の代わりに、きゅうりの一本漬けって。

甘いものが駄目なら、しょっぱいものでどうだ、ってことか?

とはいえあの人、魔力量も多いし長生きだし。

特に食べなくても、死なないと思うんだけど。

「それに、私、学院長先生にこのきゅうり、見てもらいたいな」

何?

「だって、今年のきゅうりは出来が良いから!すぐり君と一緒に作ったからかな?えへへ」

「…」

…お腹がいっぱいです。
 
ありがとうございました。良い人生でした。

「ね、これ持っていって、学院長先生と一緒に食べようよ。良いでしょ?」

「いーよ」

ツキナが良いなら、何でもいーよ。

「やったぁ!じゃあ早速、学院長室にレッツゴー!どっこいしょー!」

「はーい。どっこいしょー」

と、いう経緯で。

俺達は、学院長室で何が起きているのかも知らず。

シルナ学院長のもとに向かったのだった。
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