神殺しのクロノスタシスⅢ
「シュニィちゃん、アトラス君…。後のこと、お願いね」

「任せてくれ。生徒達には、傷一つつけさせん」

「こちらは大丈夫ですから、学院長先生達もお気をつけて」

アトラスとシュニィ、ルシェリート夫妻が揃って、そう答えた。

現在、イーニシュフェルト魔導学院には。

そうそうたる顔触れが揃っていた。

まず、聖魔騎士団魔導部隊大隊長達が、勢揃い。

クュルナ。

吐月。

キュレムとルイーシュ(今夜はサボらなかったらしい)。

無闇。

ジュリス。

ベリクリーデ。

エリュティア。

それだけではなく。

今夜は、聖魔騎士団の別の部隊の大隊長達も、応援に駆けつけてくれた。

アトラスが、各部隊に召集をかけてくれたのだ。

彼らは別に、イーニシュフェルト魔導学院には関係ない人々だろうに。

頼もしく、学院の敷地内を警備してくれていた。

大変有り難い。

学院を守る守り人は、一人でも多い方が良い。

聖魔騎士団が、ここまで大盤振る舞いしてくれているのだ。

俺達も、ちゃんとやるべきことをやって…。

「…学院は私達が守ります。だから、どうか…誰一人欠けず、無事に帰ってきてください」

シュニィが、真摯な目をして俺達を見つめた。

…そうだな。

生徒が一人も欠けないのは、大前提。

その上で。 

俺達も、無事に帰ってこなくては。

「約束する」

「…ご武運を」

「そっちもな」

そう言い残して。

「それじゃあ…そろそろ、行こうか」

「あぁ」

俺と、シルナ。

イレースとナジュ、天音、令月とすぐりの七人は。

揃って、イーニシュフェルト魔導学院を後にした。

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