神殺しのクロノスタシスⅢ
挑戦状をもらってから、今日このときに至るまでに。
色々な戦況を予測して、色々な戦術を立ててきた。
そして、この状況は。
想定の、範囲内だ。
しかも、ナジュが復活した状態で立っているというのは、こちらにとって相当有利な状況だ。
味方にとっても、こんなに厄介なのに。
読心魔法の使い手であるナジュは、敵にとっては厄介どころではないだろう。
だが。
「良いか、ナジュ。くれぐれも無理するなよ」
「頭痛くなったらやめるんで、大丈夫です」
本当にやめるんだろうな、こいつ。
赤信号渡っちゃ駄目!と言われた傍から、スキップしながら赤信号に突っ込むタイプだから。
全然信用ならない。
ナジュに負担かけない感じで行こう。
「よし、やれシルナ」
「はいはい」
作戦、その1。
シルナが、杖を振った瞬間。
ゾロゾロと、気持ち悪いくらい大量の、
ヒアリが、『アメノミコト』暗殺者集団に襲い掛かった。
「!?」
動揺する暗殺者集団『終日組』。
見たか。
これぞ、最高に気持ち悪くて、卑怯な戦法。
シルナヒアリ作戦だ。
大量に発生したシルナヒアリが、『終日組』の暗殺者に襲い掛かった。
これも作戦である。
手練の暗殺者達と、まともにやり合うのは分が悪い。
なら、まともにやり合わなければ良い。
向こうだって、毒なんて飛び道具使ってきてるんだから。
こっちも、索を講じさせてもらった。
そこで考えたのが、この分身シルナヒアリ作戦だ。
折角シルナだって、気持ち悪い魔法を使えるんだから。
それを活かさないのは、損というものだ。
最近シルナ、何らかの虫に化けるの得意になってきてるし。
折角だから、毒虫に化けてみようと考えた。
とはいえ、『アメノミコト』の暗殺者に、まともな毒は効かない。
なら、同じ毒虫でも、刺された瞬間とんでもない痛みを伴う虫にしてやれば良い。
そこで考えたのが、シルナヒアリである。
木々の間からでも、木の葉の隙間からでも、暗闇に紛れ。
衣服の隙間に入り込み、チクリとぶっ刺す。
毒は効かなくても、刺されたときの痛みは消せない。
そして、人間は痛みを無視出来ない。
いくら暗殺者共が痛みに強かろうが、それが僅かな痛みであろうが、人間である限り、痛いときは痛い。
不死身の身体で、何十回何百回と死んでは再生するを繰り返してきたナジュだって、痛いもんは痛いとのお墨付き。
痛みに慣れることは出来ても、完全に無視することは出来ない。
そして痛みを感じれば、僅かながらでも動きは鈍る。
おまけに、大量放出されたシルナヒアリは、いつ何処から何処を刺してくるか分からない。
その図体の小ささと、この暗闇の中では、シルナヒアリの位置を把握するのも難しかろう。
大体、一匹見つけられて切られても、またもう一匹分身を作れば良いだけのこと。
シルナの分身魔法を舐めるなよ。
使い方次第では、このように、ナジュの読心魔法並みに厄介で、卑怯で、陰湿な魔法になるのだ。
案の定。
「くっ…!何だこれは!」
「ちっ」
衣服の隙間から入り込んでは、ブスブスチクチク刺してくる、鬱陶しいシルナヒアリに。
戸惑いと、苛立ちを隠せないらしい暗殺者共。
ざまぁ見ろ。シルナの陰湿さを舐めるな。
「…羽久が、私に失礼なことを考えてる気がする…」
「褒めてるんだよ」
大量のシルナヒアリを放出しながら、不本意そうなシルナであった。
とりあえず、作戦その1は効いているようだ。
色々な戦況を予測して、色々な戦術を立ててきた。
そして、この状況は。
想定の、範囲内だ。
しかも、ナジュが復活した状態で立っているというのは、こちらにとって相当有利な状況だ。
味方にとっても、こんなに厄介なのに。
読心魔法の使い手であるナジュは、敵にとっては厄介どころではないだろう。
だが。
「良いか、ナジュ。くれぐれも無理するなよ」
「頭痛くなったらやめるんで、大丈夫です」
本当にやめるんだろうな、こいつ。
赤信号渡っちゃ駄目!と言われた傍から、スキップしながら赤信号に突っ込むタイプだから。
全然信用ならない。
ナジュに負担かけない感じで行こう。
「よし、やれシルナ」
「はいはい」
作戦、その1。
シルナが、杖を振った瞬間。
ゾロゾロと、気持ち悪いくらい大量の、
ヒアリが、『アメノミコト』暗殺者集団に襲い掛かった。
「!?」
動揺する暗殺者集団『終日組』。
見たか。
これぞ、最高に気持ち悪くて、卑怯な戦法。
シルナヒアリ作戦だ。
大量に発生したシルナヒアリが、『終日組』の暗殺者に襲い掛かった。
これも作戦である。
手練の暗殺者達と、まともにやり合うのは分が悪い。
なら、まともにやり合わなければ良い。
向こうだって、毒なんて飛び道具使ってきてるんだから。
こっちも、索を講じさせてもらった。
そこで考えたのが、この分身シルナヒアリ作戦だ。
折角シルナだって、気持ち悪い魔法を使えるんだから。
それを活かさないのは、損というものだ。
最近シルナ、何らかの虫に化けるの得意になってきてるし。
折角だから、毒虫に化けてみようと考えた。
とはいえ、『アメノミコト』の暗殺者に、まともな毒は効かない。
なら、同じ毒虫でも、刺された瞬間とんでもない痛みを伴う虫にしてやれば良い。
そこで考えたのが、シルナヒアリである。
木々の間からでも、木の葉の隙間からでも、暗闇に紛れ。
衣服の隙間に入り込み、チクリとぶっ刺す。
毒は効かなくても、刺されたときの痛みは消せない。
そして、人間は痛みを無視出来ない。
いくら暗殺者共が痛みに強かろうが、それが僅かな痛みであろうが、人間である限り、痛いときは痛い。
不死身の身体で、何十回何百回と死んでは再生するを繰り返してきたナジュだって、痛いもんは痛いとのお墨付き。
痛みに慣れることは出来ても、完全に無視することは出来ない。
そして痛みを感じれば、僅かながらでも動きは鈍る。
おまけに、大量放出されたシルナヒアリは、いつ何処から何処を刺してくるか分からない。
その図体の小ささと、この暗闇の中では、シルナヒアリの位置を把握するのも難しかろう。
大体、一匹見つけられて切られても、またもう一匹分身を作れば良いだけのこと。
シルナの分身魔法を舐めるなよ。
使い方次第では、このように、ナジュの読心魔法並みに厄介で、卑怯で、陰湿な魔法になるのだ。
案の定。
「くっ…!何だこれは!」
「ちっ」
衣服の隙間から入り込んでは、ブスブスチクチク刺してくる、鬱陶しいシルナヒアリに。
戸惑いと、苛立ちを隠せないらしい暗殺者共。
ざまぁ見ろ。シルナの陰湿さを舐めるな。
「…羽久が、私に失礼なことを考えてる気がする…」
「褒めてるんだよ」
大量のシルナヒアリを放出しながら、不本意そうなシルナであった。
とりあえず、作戦その1は効いているようだ。