神殺しのクロノスタシスⅢ
水色を始末し、俺とすぐりはシルナ達のもとに戻った。

すると。

「遅いですよ、あなた達」

暗殺者黄緑の身体を、ガシッと踏みつけにした状態で。 

バチバチと迸る杖を持ったイレースが、俺達を睨んだ。

怖っ。

だが…この様子なら。

「終わったのか」

「えぇ、先程」

見てみると、他の色の暗殺者達も、呆気なく地面に這いつくばっていた。

ご愁傷様。

「羽久!羽久あのねー、私頑張ったんだよ!ちゃんと令月君を守りながらね?」

シルナが、飼い主に褒めてもらいに来た犬のように駆け寄ってくる。

しかし。

「生徒を守るのは当然だろ。威張るな」

「ひっ…ど〜い…。私、ヒアリにまでなって戦ったのに…」

あぁ、そうだったな。

ここでヒアリになるのは良いが、学院ではやるなよ。

生徒達がヒアリを見つけたら、大騒ぎになること間違い無し。

カマキリでさえ、一悶着あったってのに。

…で、そんなことより。

「次はどうするんだ?糞ジジィ」

「…」

俺は、相変わらず自分は動かず、部下が死ぬのをみすみす見ているだけの。

下衆ジジィに、声をかけた。

さすがの鬼頭も、手持ちの暗殺者がことごとく粉砕され。

その顔には、焦燥が浮かんでいた。

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