神殺しのクロノスタシスⅢ
エリュティア達と別れた後。

「さー、次はジュリス君と、ベリクリーデちゃんだね。何処にいるかな〜」

「…」

…探すなよ。

もう良いだろ。そろそろ帰ろうぜ学院に。

イレースが怒ってるぞ。「何処ほっつき歩いてるんですか」とか言って。

俺の責任ではないので、宜しく。

まぁ、今のところ大隊長達にはほぼ全員会ってるし。

キュレムとルイーシュは、任務で留守なんだって。

なら折角だし、ジュリスとベリクリーデの顔は見て帰りたいわな。

その気持ちは分かる。

…しかし。

「…いないねぇ」

「…」

隊舎の中にある、ジュリスの部屋にも。そしてベリクリーデの部屋にも。

二人の姿はなかった。

どちらか一方でも、いるかと思ったのだが。

二人共いないとは、これいかに。

「二人も、エリュティア達やキュレム達みたいに、任務に行ってるんじゃね?」

誰もがシルナみたいに、暇じゃないからな。

「あっ、羽久。また私に失礼なこと考えてる気がする…」

「それは良いから。任務に行ってるなら、ここには…」

と、言いかけたそのとき。

「あ、学院長先生!グラスフィア先生も」

「ユリーシャちゃん?」

聖魔騎士団魔導部隊の隊舎で。

非常に懐かしい人物と遭遇した。

ユリーシャ・フィルフニート。

かつてのシルナの教え子。

エリュティアと同じく、イーニシュフェルト魔導学院の、卒業生である。
< 466 / 822 >

この作品をシェア

pagetop