神殺しのクロノスタシスⅢ
…一時間後。

全身草と泥にまみれ、鼻血と涙を垂らしたシルナが、現世に…学院に戻ってきた。

「ひっく、ひっく…。置いて帰るなんて…置いて帰るなんて酷いよ…」

「おぉ、シルナ…。夜空から戻ってきたか」

俺もイレースもナジュも、特に関心なかったが。

「だ、大丈夫ですか学院長先生!?」

天音だけは、ボロボロになったシルナを見捨てなかった。

急いで駆け寄り、ハンカチで汚れた顔を拭いてあげていた。

良かったな。心配してくれる人がいて。

「うぇぇぇぇん天音君〜っ!!」

「え、えっと…。何があったんですか?」

「私にもよく分からないんだよ〜!痛かった〜っ!!」

何があったのか…は。

…まぁ、後で教えてやるよ。

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