神殺しのクロノスタシスⅢ
「…!?」

…なん…。

なん…なん、だと?

裏切った?

頭領様は今、何と仰った?

裏切った?

『八千代』が裏切った?

あの『八千代』が?

俺は動揺していたが、隣にいる『玉響』もまた、息を呑んでいるのが分かった。

『八千代』は俺達と同じ、親衛隊の一人。

その『八千代』が裏切った?頭領様を、『アメノミコト』を裏切った?

一体何故、そんなことに?

「裏切り者は始末せねばならぬ。分かるな?」

「…御意」

俺は、頭の中に湧いた疑問を、一瞬で消し去った。

『八千代』が何故裏切ったのか、そんなことは後で考えれば良い。

今は、頭領様の勅命だ。

「ルーデュニア聖王国に行け。ルーデュニア聖王国、イーニシュフェルト魔導学院に。そこに『八千代』がいる」

改めて、頭領様は俺達の方を向いた。

「命令だ。『八千歳(やちとせ)』、『玉響』」




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