神殺しのクロノスタシスⅢ
―――――――…数時間後。
俺はその日、いつもより早めに目が覚めた。
つーか、最近目が覚めるのが早い気がする。
何かあったの?と心配してくれた人、ありがとう。
ただ、暑くて目が覚めるだけだ。
一度目が覚めると、なかなか眠れない。
暑いし。
まぁ、世間の子供達は、今頃のろのろ起き出して、ラジオ体操に向かってる時間だし。
たまには、早く起きても良いだろう。
そして、普段はイレースに任せっきりの事務仕事を、少しは手伝おう。
俺は起き上がって着替え、職員室に向かった。
すると。
「あれ?」
「おはようございます」
職員室では、俺を待っていたかのように、イレースがいた。
早っ。
「どうしたんだ、今日はえらく早起きだな」
「早く目が覚めたもので」
あ、そう…。
俺と同じだな。
イレースも、暑くて目が覚めてしまったんだろうか。
つーことは、今日も最高気温は恐ろしいことになりそうだな。
あーやだやだ。
こんな暑さの中でも、呑気にしていられるのは、シルナくらいだよ。
「それより」
「うん?」
イレースは、紙の束が入った封筒を、俺に差し出した。
「これ、朝イチで聖魔騎士団に届けてくれませんか」
「聖魔騎士団に…?何なんだ、これ?」
糊付けして封をしてあるから、中身は分からないが。
「先日起きた『アメノミコト』との戦闘の、報告書です」
「あぁ…」
成程、そういうこと。
…ん?でも、イレースにしては、やけに仕事が遅い…気がしなくもない。
あの挑戦状を受け取って、『アメノミコト』とやり合ったのは、もう当分前のことだ。
その報告書を、今更?
…。
…まぁ、イレースも普段忙しいし。
主に、シルナが動かないせいだが。
あれだけの大事件、報告書一つ取っても、細々と詳細まで几帳面に書き上げたんだろうし。
それで遅くなったんだろう。
「分かった。届けてくる」
魔導部隊の宿直の一人に、シュニィ宛に託けておけば大丈夫だろう。
しかし。
「それと、もう一つ伝言が」
「伝言?」
「聖魔騎士団魔導部隊隊長が、あなたに話したいことがあると」
…シュニィが?
俺に?
「何の話だ…?」
「さぁ。私もそこまでは…」
…ってことは、あくまで内密な話ってことか。
『アメノミコト』との一件で、今は色々あるからな。
もしシュニィの用事が、『アメノミコト』案件なら。
俺だけでなく、シルナも連れていきたいところだが…。
俺に加えて、シルナまで聖魔騎士団に向かったとなれば、学院の警備も薄くなるし。
何より、また自分達の為に、大人達が難しいことを相談しているんだ、と。
余計なこと考えては、自分のせいでもないのに、自分を責める子供達がいるからな。
あくまで俺一人が聞いて、後でシルナに伝えよう。
それと、ちょっと聖魔騎士団にお使いに行ってくる、とシルナにメモを残しておこう。
「分かった。じゃあ行ってくる」
「はい」
俺は封筒を片手に、職員室の扉を潜り抜け、廊下に出た。
…と、同時に。
イレースの姿が、霞のように消えてなくなった。
俺はその日、いつもより早めに目が覚めた。
つーか、最近目が覚めるのが早い気がする。
何かあったの?と心配してくれた人、ありがとう。
ただ、暑くて目が覚めるだけだ。
一度目が覚めると、なかなか眠れない。
暑いし。
まぁ、世間の子供達は、今頃のろのろ起き出して、ラジオ体操に向かってる時間だし。
たまには、早く起きても良いだろう。
そして、普段はイレースに任せっきりの事務仕事を、少しは手伝おう。
俺は起き上がって着替え、職員室に向かった。
すると。
「あれ?」
「おはようございます」
職員室では、俺を待っていたかのように、イレースがいた。
早っ。
「どうしたんだ、今日はえらく早起きだな」
「早く目が覚めたもので」
あ、そう…。
俺と同じだな。
イレースも、暑くて目が覚めてしまったんだろうか。
つーことは、今日も最高気温は恐ろしいことになりそうだな。
あーやだやだ。
こんな暑さの中でも、呑気にしていられるのは、シルナくらいだよ。
「それより」
「うん?」
イレースは、紙の束が入った封筒を、俺に差し出した。
「これ、朝イチで聖魔騎士団に届けてくれませんか」
「聖魔騎士団に…?何なんだ、これ?」
糊付けして封をしてあるから、中身は分からないが。
「先日起きた『アメノミコト』との戦闘の、報告書です」
「あぁ…」
成程、そういうこと。
…ん?でも、イレースにしては、やけに仕事が遅い…気がしなくもない。
あの挑戦状を受け取って、『アメノミコト』とやり合ったのは、もう当分前のことだ。
その報告書を、今更?
…。
…まぁ、イレースも普段忙しいし。
主に、シルナが動かないせいだが。
あれだけの大事件、報告書一つ取っても、細々と詳細まで几帳面に書き上げたんだろうし。
それで遅くなったんだろう。
「分かった。届けてくる」
魔導部隊の宿直の一人に、シュニィ宛に託けておけば大丈夫だろう。
しかし。
「それと、もう一つ伝言が」
「伝言?」
「聖魔騎士団魔導部隊隊長が、あなたに話したいことがあると」
…シュニィが?
俺に?
「何の話だ…?」
「さぁ。私もそこまでは…」
…ってことは、あくまで内密な話ってことか。
『アメノミコト』との一件で、今は色々あるからな。
もしシュニィの用事が、『アメノミコト』案件なら。
俺だけでなく、シルナも連れていきたいところだが…。
俺に加えて、シルナまで聖魔騎士団に向かったとなれば、学院の警備も薄くなるし。
何より、また自分達の為に、大人達が難しいことを相談しているんだ、と。
余計なこと考えては、自分のせいでもないのに、自分を責める子供達がいるからな。
あくまで俺一人が聞いて、後でシルナに伝えよう。
それと、ちょっと聖魔騎士団にお使いに行ってくる、とシルナにメモを残しておこう。
「分かった。じゃあ行ってくる」
「はい」
俺は封筒を片手に、職員室の扉を潜り抜け、廊下に出た。
…と、同時に。
イレースの姿が、霞のように消えてなくなった。