神殺しのクロノスタシスⅢ
―――――――…実は。
結構前から、起きていたのだが。
何やら俺を取り囲んで、深刻そうな話をしていたもんだから。
何となく、起きていると言いづらかった。
…洗脳魔法なんて話題が出てきたから、余計に。
知らないうちに、まんまとヴァルシーナの洗脳魔法にかかり。
みすみす、レーヴァテインなんて危険な人格を生み出してしまい。
それにより、ここにいる全員に迷惑をかけ、おまけにお互いに疑心暗鬼に陥らせた。
その張本人である俺が、どうして彼らに口を挟めようか。
ヴァルシーナの洗脳魔法にかかった俺の言葉を、どれだけ信用してもらえるか。
でも、いつまでも黙っている訳にはいかない。
仲間が困ってるのに…。自分だけ寝たフリしてる訳にはいかないだろう。
「…羽久だよ。少なくとも、自分では…そう思ってる」
「そう、良かった」
本当に俺が羽久・グラスフィアなのか、何一つ証拠を提示することは出来ないのに。
シルナは、一も二もなく頷いた。
「…そんなに心配しなくても、少なくともあなたの身体の中には、レーヴァテインはいないと思いますけど」
目が覚めたと知るや、早速俺の心を読んでくるナジュ。
隙あらば読むな。
「だって、あなたの身体の中にいると不便だから、わざわざ本体と切り離して、別の器を用意して出ていったんでしょう?なら、今のあなたの身体には、羽久さん含め、元々いた人格しかいないのでは?」
「…俺も、そう思う」
まだ俺の中にレーヴァテインが残っているのなら。
わざわざレーヴァテインが、俺や『前の』俺を謀って、代わりの肉体を用意した意味がない。
多分レーヴァテインは、もうこの身体の中にはいない。
完全に、追い出したはずだ。
「信じてあげたいけど、でも残念ながら、この状況じゃ信じてあげられないよね〜」
「…」
…すぐりが。
痛いところを突いてきた。
結構前から、起きていたのだが。
何やら俺を取り囲んで、深刻そうな話をしていたもんだから。
何となく、起きていると言いづらかった。
…洗脳魔法なんて話題が出てきたから、余計に。
知らないうちに、まんまとヴァルシーナの洗脳魔法にかかり。
みすみす、レーヴァテインなんて危険な人格を生み出してしまい。
それにより、ここにいる全員に迷惑をかけ、おまけにお互いに疑心暗鬼に陥らせた。
その張本人である俺が、どうして彼らに口を挟めようか。
ヴァルシーナの洗脳魔法にかかった俺の言葉を、どれだけ信用してもらえるか。
でも、いつまでも黙っている訳にはいかない。
仲間が困ってるのに…。自分だけ寝たフリしてる訳にはいかないだろう。
「…羽久だよ。少なくとも、自分では…そう思ってる」
「そう、良かった」
本当に俺が羽久・グラスフィアなのか、何一つ証拠を提示することは出来ないのに。
シルナは、一も二もなく頷いた。
「…そんなに心配しなくても、少なくともあなたの身体の中には、レーヴァテインはいないと思いますけど」
目が覚めたと知るや、早速俺の心を読んでくるナジュ。
隙あらば読むな。
「だって、あなたの身体の中にいると不便だから、わざわざ本体と切り離して、別の器を用意して出ていったんでしょう?なら、今のあなたの身体には、羽久さん含め、元々いた人格しかいないのでは?」
「…俺も、そう思う」
まだ俺の中にレーヴァテインが残っているのなら。
わざわざレーヴァテインが、俺や『前の』俺を謀って、代わりの肉体を用意した意味がない。
多分レーヴァテインは、もうこの身体の中にはいない。
完全に、追い出したはずだ。
「信じてあげたいけど、でも残念ながら、この状況じゃ信じてあげられないよね〜」
「…」
…すぐりが。
痛いところを突いてきた。