神殺しのクロノスタシスⅢ
――――――…。
「…あれ?」
「…目が覚めた?」
俺が目を覚ますと、そこにはもう。
ヴァルシーナも、レーヴァテインもいなくなっていた。
俺、また…入れ替わってた?
それともまさか、ヴァルシーナに洗脳魔法をかけられて?
いやまさか。あの時点で既に、敗北感いっぱいだったヴァルシーナが…。
あそこから、また洗脳魔法をかけてくるほど度胸があったとは思えない。
「どう…なったんだ?」
「…羽久?君は羽久だね?」
と、シルナがわざわざ確かめてくるってことは。
「俺は羽久だよ」
やっぱり、入れ替わってたんだ。
多分…。
「『前の』俺が…二十音が、出てきてたのか?」
「…そうだよ」
…。
「ヴァルシーナと、レーヴァテインは?」
今ここにいないあの二人は、何処に消えた?
「ヴァルシーナちゃんは逃げた。でも…レーヴァテインは…」
「…」
…そうか。
「…分かった。もう言わなくて良い…」
二十音が出てきた時点で、何となく察していた。
俺が、レーヴァテインの存在を許しても。
この身体のオリジナルである二十音は、レーヴァテインを許さなかった。
…それだけの話だ。
「…ごめん。止められなくて」
「もう良いって。シルナのせいじゃない」
レーヴァテインは元々、俺の、俺達の人格だった。
だからこれは、俺達の問題だ。
シルナは、出来る限りのことをしてくれようとした。
それだけで充分だ。
…ただ、ヴァルシーナは…孤独になるだろうな。
また、孤独な一人旅に逆戻り。
いや、あいつに本当の味方なんて、いたことがあったのだろうか…。
シルナとヴァルシーナの道が、大きく分かたれたように。
俺とレーヴァテインの道も、交わることはなかったということだ。
永遠に。
「…それより、他の皆は?」
「うん…。大丈夫だと思うけど、ちゃんと無事を確かめないと」
まだ確かめてなかったのか。
ということは、俺は今回、随分早くに目覚めたようだな。
まるで二十音が、レーヴァテインを殺す為だけに出てきたかのように…。
「…あれ?」
「…目が覚めた?」
俺が目を覚ますと、そこにはもう。
ヴァルシーナも、レーヴァテインもいなくなっていた。
俺、また…入れ替わってた?
それともまさか、ヴァルシーナに洗脳魔法をかけられて?
いやまさか。あの時点で既に、敗北感いっぱいだったヴァルシーナが…。
あそこから、また洗脳魔法をかけてくるほど度胸があったとは思えない。
「どう…なったんだ?」
「…羽久?君は羽久だね?」
と、シルナがわざわざ確かめてくるってことは。
「俺は羽久だよ」
やっぱり、入れ替わってたんだ。
多分…。
「『前の』俺が…二十音が、出てきてたのか?」
「…そうだよ」
…。
「ヴァルシーナと、レーヴァテインは?」
今ここにいないあの二人は、何処に消えた?
「ヴァルシーナちゃんは逃げた。でも…レーヴァテインは…」
「…」
…そうか。
「…分かった。もう言わなくて良い…」
二十音が出てきた時点で、何となく察していた。
俺が、レーヴァテインの存在を許しても。
この身体のオリジナルである二十音は、レーヴァテインを許さなかった。
…それだけの話だ。
「…ごめん。止められなくて」
「もう良いって。シルナのせいじゃない」
レーヴァテインは元々、俺の、俺達の人格だった。
だからこれは、俺達の問題だ。
シルナは、出来る限りのことをしてくれようとした。
それだけで充分だ。
…ただ、ヴァルシーナは…孤独になるだろうな。
また、孤独な一人旅に逆戻り。
いや、あいつに本当の味方なんて、いたことがあったのだろうか…。
シルナとヴァルシーナの道が、大きく分かたれたように。
俺とレーヴァテインの道も、交わることはなかったということだ。
永遠に。
「…それより、他の皆は?」
「うん…。大丈夫だと思うけど、ちゃんと無事を確かめないと」
まだ確かめてなかったのか。
ということは、俺は今回、随分早くに目覚めたようだな。
まるで二十音が、レーヴァテインを殺す為だけに出てきたかのように…。