神殺しのクロノスタシスⅢ
そんな訳で。
ベリクリーデを連れて、ショッピングセンターにやって来た。
「わーひろーい。バレーボール出来そうだねここ」
「こら、勝手に走り回るな」
しっかり手綱握っておかないと、すぐどっか行こうとする。
あーハーネス欲しい。
子供用のハーネス。あるだろ?あれ欲しい。あれで繋いでおきたい。
少しでも目を離したら、何をしでかすか分からな、
「おじさん、ブラジャーって何処に売ってるのか知ってる?」
「えっ」
あろうことか。
ベリクリーデは、傍を歩いていた家族連れのお父さんを捕まえて、下着売り場の場所を尋ねていた。
ほら言わんこっちゃねぇ!
お父さん困ってるじゃないか!
「済みません、うちのツレが」
俺はベリクリーデを押し退け、名も知らないお父さんに謝った。
「え、えぇと…」
「気にしないでください。本当。済みませんでした」
困惑するお父さんに一礼し。
これ以上ベリクリーデが余計なことを言う前に、俺はベリクリーデの手を引いて、慌ててその場から離れた。
で、説教。
「馬鹿かお前。知らない人にみだりに話しかけるんじゃねぇ!」
「分かった」
よし。
「さっさと売り場に行くぞ」
「ジュリスは場所知ってるの?」
「フロアマップ見れば分かるだろ」
知らないおっさんに聞こうとするな。地図を見ろ。
人に聞くならせめて、店員さんに聞けよ。
フロアマップを見て、ランジェリーショップの場所を確認。
よし。
「ベリクリーデ、見つけたからあっちに…」
と、振り返ると。
「わー、美味しそー」
「!?」
ベリクリーデは、クレープ屋のショーウィンドウにベタッ、とくっついて。
食品サンプルのクレープを、かぶり付きでじーっと眺めていた。
「え、えぇと…お、お客様。こちらにメニュー表がございますので…」
クレープ屋の店員さんが、困ったような顔で、そっとメニュー表を差し出すも、ガン無視。
食品サンプルに夢中。
あ、の、馬鹿は…!
「済みません、注文は良いです。ありがとうございます」
俺は、ショーウィンドウからベリクリーデを引き剥がし。
困り顔の店員さんに謝って、急いでその場を離れた。
「…おいベリクリーデ。お前、人様に迷惑をかけるなと…」
説教タイム。
「美味しそうだったね、ジュリス。あれ何ていう食べ物なの?」
「クレープだよ」
知らずに見てたのか?
いや、それより。
「クレープって言うんだ。美味しそうだったね」
「それより!良いか、俺の傍を離れるな。知らない人にみだりに話しかけるな。この二つを記憶しろ」
「…?分かった」
「本当に分かったか?復唱してみろ」
「ジュリスの傍を離れない。知らない人に話しかけない」
「よし。約束だからな。分かったな?」
「うん、約束した」
宜しい。
あとは、それをちゃんと守ってくれよ。
ベリクリーデを連れて、ショッピングセンターにやって来た。
「わーひろーい。バレーボール出来そうだねここ」
「こら、勝手に走り回るな」
しっかり手綱握っておかないと、すぐどっか行こうとする。
あーハーネス欲しい。
子供用のハーネス。あるだろ?あれ欲しい。あれで繋いでおきたい。
少しでも目を離したら、何をしでかすか分からな、
「おじさん、ブラジャーって何処に売ってるのか知ってる?」
「えっ」
あろうことか。
ベリクリーデは、傍を歩いていた家族連れのお父さんを捕まえて、下着売り場の場所を尋ねていた。
ほら言わんこっちゃねぇ!
お父さん困ってるじゃないか!
「済みません、うちのツレが」
俺はベリクリーデを押し退け、名も知らないお父さんに謝った。
「え、えぇと…」
「気にしないでください。本当。済みませんでした」
困惑するお父さんに一礼し。
これ以上ベリクリーデが余計なことを言う前に、俺はベリクリーデの手を引いて、慌ててその場から離れた。
で、説教。
「馬鹿かお前。知らない人にみだりに話しかけるんじゃねぇ!」
「分かった」
よし。
「さっさと売り場に行くぞ」
「ジュリスは場所知ってるの?」
「フロアマップ見れば分かるだろ」
知らないおっさんに聞こうとするな。地図を見ろ。
人に聞くならせめて、店員さんに聞けよ。
フロアマップを見て、ランジェリーショップの場所を確認。
よし。
「ベリクリーデ、見つけたからあっちに…」
と、振り返ると。
「わー、美味しそー」
「!?」
ベリクリーデは、クレープ屋のショーウィンドウにベタッ、とくっついて。
食品サンプルのクレープを、かぶり付きでじーっと眺めていた。
「え、えぇと…お、お客様。こちらにメニュー表がございますので…」
クレープ屋の店員さんが、困ったような顔で、そっとメニュー表を差し出すも、ガン無視。
食品サンプルに夢中。
あ、の、馬鹿は…!
「済みません、注文は良いです。ありがとうございます」
俺は、ショーウィンドウからベリクリーデを引き剥がし。
困り顔の店員さんに謝って、急いでその場を離れた。
「…おいベリクリーデ。お前、人様に迷惑をかけるなと…」
説教タイム。
「美味しそうだったね、ジュリス。あれ何ていう食べ物なの?」
「クレープだよ」
知らずに見てたのか?
いや、それより。
「クレープって言うんだ。美味しそうだったね」
「それより!良いか、俺の傍を離れるな。知らない人にみだりに話しかけるな。この二つを記憶しろ」
「…?分かった」
「本当に分かったか?復唱してみろ」
「ジュリスの傍を離れない。知らない人に話しかけない」
「よし。約束だからな。分かったな?」
「うん、約束した」
宜しい。
あとは、それをちゃんと守ってくれよ。