神殺しのクロノスタシスⅢ

生き神様編後編

――――――――…もしも、そのとき。

そのベリクリーデの心の叫びが、俺に聞こえていたとしたら。

俺はきっと、なりふり構わず、手段を問わず、一刻も早く。

ベリクリーデのもとに、駆けつけていただろう。

だが俺は、愚かな俺は、そのとき。

彼女の身に何が起きているのか、知らなかった。

悠長にも、東方都市トラーチェの街で、聞き込みをしていた。
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