神殺しのクロノスタシスⅢ
30分後。
ベリクリーデは、すっかり様変わりしていた。
まぁ、こいつはもとが良いから、どう弄っても様になるがな。
「ほら、出来たぞ。鏡見てみろ」
「ほぇ?」
きょとんとしたまま、鏡を見つめるベリクリーデ。
さぁ、感想はどうだ?
「…誰?」
そう来たか。
「お前だよ、ベリクリーデだ」
「私?」
「そうだ。美人になっただろ?」
元々美人だったけどな。
お陰で、飾り甲斐がある。
こうして、髪を整えて、メイクを施すと、更に際立つ。
「違う人みたい」
「心配しなくても、ちゃんとベリクリーデだよ」
「凄いね、ジュリス。魔法使いみたい」
「別に、大したことじゃねぇよ」
「ジュリスに魔法使ってもらったって、皆に見せてくる〜」
「あ、おい」
ベリクリーデは、すたこらさっさと部屋を出ていった。
まぁあいつも、女だから。
お洒落したら、皆に見て欲しくなったんだろう。
…で、それは良いとして。
俺のやるべきことは二つ。
まず、ベリクリーデを奇行に走らせた、諸悪の根源である、この恋愛指南本を処分する。
没収だ、没収。
そしてもう一つは。
「…謝ってこないとなぁ…」
ベリクリーデが、謎の告白をして、自称「彼氏」にされてしまった男達に。
全く、何で俺がこんなことを。
「本気だと思ってたのに、騙したのか!」と逆ギレされたら、どうしたら良いんだよ。
…と、思ったが。
「あ、やっぱりそういうことだったんですね。おかしいと思ったんですよ〜…」
だとか。
「よ、良かった…。実は俺、既に婚約者がいて…。どうやってベリクリーデ隊長に断りを入れれば良いのか、困ってたんです」
だとか。
「あぁ成程。そんなことだろうと思ってました。お疲れ様です、ジュリス隊長」
みたいな反応ばかりで。
誰も、本気にして逆ギレする者はいなかった。
さすがベリクリーデ隊の部下達。隊長のことをよく分かっている。
むしろ、俺が労われてしまったくらい。
お前らも常日頃、自由奔放過ぎるベリクリーデに振り回されて、苦労してんだな。
まぁ、よく考えたら。
あのとんでもない格好で、松ぼっくりを差し出されて「付き合ってくれ」と言われたら。
本気にするも何も、まず正気を疑うよな。
とりあえず、皆本気にしてなかったようで、何より。
ベリクリーデは、すっかり様変わりしていた。
まぁ、こいつはもとが良いから、どう弄っても様になるがな。
「ほら、出来たぞ。鏡見てみろ」
「ほぇ?」
きょとんとしたまま、鏡を見つめるベリクリーデ。
さぁ、感想はどうだ?
「…誰?」
そう来たか。
「お前だよ、ベリクリーデだ」
「私?」
「そうだ。美人になっただろ?」
元々美人だったけどな。
お陰で、飾り甲斐がある。
こうして、髪を整えて、メイクを施すと、更に際立つ。
「違う人みたい」
「心配しなくても、ちゃんとベリクリーデだよ」
「凄いね、ジュリス。魔法使いみたい」
「別に、大したことじゃねぇよ」
「ジュリスに魔法使ってもらったって、皆に見せてくる〜」
「あ、おい」
ベリクリーデは、すたこらさっさと部屋を出ていった。
まぁあいつも、女だから。
お洒落したら、皆に見て欲しくなったんだろう。
…で、それは良いとして。
俺のやるべきことは二つ。
まず、ベリクリーデを奇行に走らせた、諸悪の根源である、この恋愛指南本を処分する。
没収だ、没収。
そしてもう一つは。
「…謝ってこないとなぁ…」
ベリクリーデが、謎の告白をして、自称「彼氏」にされてしまった男達に。
全く、何で俺がこんなことを。
「本気だと思ってたのに、騙したのか!」と逆ギレされたら、どうしたら良いんだよ。
…と、思ったが。
「あ、やっぱりそういうことだったんですね。おかしいと思ったんですよ〜…」
だとか。
「よ、良かった…。実は俺、既に婚約者がいて…。どうやってベリクリーデ隊長に断りを入れれば良いのか、困ってたんです」
だとか。
「あぁ成程。そんなことだろうと思ってました。お疲れ様です、ジュリス隊長」
みたいな反応ばかりで。
誰も、本気にして逆ギレする者はいなかった。
さすがベリクリーデ隊の部下達。隊長のことをよく分かっている。
むしろ、俺が労われてしまったくらい。
お前らも常日頃、自由奔放過ぎるベリクリーデに振り回されて、苦労してんだな。
まぁ、よく考えたら。
あのとんでもない格好で、松ぼっくりを差し出されて「付き合ってくれ」と言われたら。
本気にするも何も、まず正気を疑うよな。
とりあえず、皆本気にしてなかったようで、何より。