神殺しのクロノスタシスⅢ
…の、だが。

すったもんだの口論の末。

俺は、ベリクリーデの隣に寝袋を並べて、テントの天井を見上げていた。

…何故こんなことに?

俺の人生、何処で間違えた?

いや、俺が間違えたんじゃなくて、ベリクリーデが間違えてるんだよ。

なんかもう、色んなものを。

言っとくが、俺は疚しいことをするつもりはないからな。

そして、ベリクリーデの方も。

「何だか凄いねー、ジュリス」

「…何がだよ」

「こうしてると、なんかまるで…キャンプみたい」 

「キャンプだからな」

忘れてたのかよ。

98%くらいは、俺がお膳立てしたキャンプだぞ。

「キャンプ楽しいねぇ、ジュリス」

「…そりゃ良かったな」

「…zzz…」

「…寝てるし…」

さっきまで喋ってたよな?あれ?もしかして寝言だった?

「…」

ちらりと横を見ると、色気も何もない無邪気な顔で、ぽやんと眠っているベリクリーデ。

…本当、幼稚園児並みだな。

仕方がない。幼稚園児の引率には、保護者がついていなければ危ないからな…。

俺が傍についてるのは、必然なのかもしれない。

…いや、俺は望んでここにいる訳じゃないけどな。
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