神殺しのクロノスタシスⅢ
翌朝。 

無事、何事もなく朝を迎えた俺達は。

当然、キャンプの後片付けをしなければいけなかった訳だが。

ほぼ何もしてないんだから、せめてテントを畳むくらいは、ベリクリーデにやらせようと思って。

説明書を読ませて、手順を教えて、「よし、じゃあやってみろ」、「うん分かったー」の会話の後。

案の定、何も分かってなくて。

5分後には、テントに絡まるベリクリーデ、再誕。

もう放っといて帰ろうかな、と思ったが。

それはそれで後味が悪いので、結局予想通り、俺が片付ける羽目になった。

終始振り回されっぱなしで、もう小言の一つでも言ってやろうかと思ったが。

「キャンプ楽しかったねー、ジュリス」

「…良かったな」

ベリクリーデが、非常に満足そうな顔をしていたので。

結局小言も言えず、やっぱり振り回されっぱなしなだけの俺だった。

畜生。
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