神殺しのクロノスタシスⅢ
僕の日常は変わった。
「おはよう、令月君」
「おはよう」
教室に来たら、クラスメイトが気さくに話しかけてくる。
不思議な感覚だ。
「相変わらず、墨擦ってるのか?鉛筆使えば良いのに」
「こっちの方が書きやすいから」
「ふーん…。やっぱり変わってるなぁ、令月は」
そう言って笑う、隣の席のクラスメイト。
変わってる。
自分でもそう思う。
僕は変わった。それも、大きく変わった。
少し前の僕だったら、自分がこんな日常を送ってるなんて、絶対思わなかっただろう。
「あ、そうだ令月」
「何?」
そういえば、軽々しく名前で呼ばれるのも、大きな変化の一つだ。
これも、不思議な感覚だ。
「今日から、新しい先生が来るんだって。知ってるか?」
「…」
新しい先生。
それは知ってる。
学院長に、事前に聞いていたから。
でも。
「知らなかった。そうなの?」
知らなかった振りをする。
その方が、クラスメイトに余計な勘繰りをさせずに済むから。
「あぁ。男の先生らしいけど。今日の朝礼で紹介されるんじゃないかって噂」
「何処で知ったの?そんなこと」
この件は、他のクラスメイトには内密に、と言われていたのだが。
何故か、僕が話すまでもなくクラスメイトにバレてる。
情報漏洩だ。
何処からバレた?
「校舎に入ってくのを見たんだよ、隣のクラスの生徒が」
「…」
「イレース先生に付き添われてたから、時期的にも、多分今年から入る新しい先生じゃないかって」
「へぇ…」
成程。
確信がある訳じゃなくて、ただの噂程度か。
生徒の中にスパイでもいるのかと、少し不安になってしまったじゃないか。
まぁ、彼の推測通り、どうせ今日の朝礼でお披露目されるから、特に隠しておく必要はなかったのだが。
「何の科目の担当なんだろうな?楽しみだよな」
「そうだね」
新しい新任教師が、何の科目の担当なのか。
僕は知っていたが、知らない振りをしておいた。
「おはよう、令月君」
「おはよう」
教室に来たら、クラスメイトが気さくに話しかけてくる。
不思議な感覚だ。
「相変わらず、墨擦ってるのか?鉛筆使えば良いのに」
「こっちの方が書きやすいから」
「ふーん…。やっぱり変わってるなぁ、令月は」
そう言って笑う、隣の席のクラスメイト。
変わってる。
自分でもそう思う。
僕は変わった。それも、大きく変わった。
少し前の僕だったら、自分がこんな日常を送ってるなんて、絶対思わなかっただろう。
「あ、そうだ令月」
「何?」
そういえば、軽々しく名前で呼ばれるのも、大きな変化の一つだ。
これも、不思議な感覚だ。
「今日から、新しい先生が来るんだって。知ってるか?」
「…」
新しい先生。
それは知ってる。
学院長に、事前に聞いていたから。
でも。
「知らなかった。そうなの?」
知らなかった振りをする。
その方が、クラスメイトに余計な勘繰りをさせずに済むから。
「あぁ。男の先生らしいけど。今日の朝礼で紹介されるんじゃないかって噂」
「何処で知ったの?そんなこと」
この件は、他のクラスメイトには内密に、と言われていたのだが。
何故か、僕が話すまでもなくクラスメイトにバレてる。
情報漏洩だ。
何処からバレた?
「校舎に入ってくのを見たんだよ、隣のクラスの生徒が」
「…」
「イレース先生に付き添われてたから、時期的にも、多分今年から入る新しい先生じゃないかって」
「へぇ…」
成程。
確信がある訳じゃなくて、ただの噂程度か。
生徒の中にスパイでもいるのかと、少し不安になってしまったじゃないか。
まぁ、彼の推測通り、どうせ今日の朝礼でお披露目されるから、特に隠しておく必要はなかったのだが。
「何の科目の担当なんだろうな?楽しみだよな」
「そうだね」
新しい新任教師が、何の科目の担当なのか。
僕は知っていたが、知らない振りをしておいた。