ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「寝るなら、ご馳走様したらね?」

「はい」



って、返事はしたけれど。

奏多先輩のお家で寝ることなんてできない!

恐れ多いよ!

眠気を吹き飛ばそうと首をぶんぶん、と振る。

そんな私を見て、奏多先輩は声をあげて笑う。



「本当、芽衣ってワンコみたい」

「そんなことないですっ」

「シャワー浴びた後のワンコ、って感じ」



……シャワー浴びた後のワンコ。

水を周りに吹き飛ばしている、あの光景だよね?

想像したら恥ずかしくなってきた。

私は乱れた髪の毛を整えてから、再びオムライスを食べ始める。

やっぱりおいしい。


オムライスのおいしさに浸っていると、足元がくすぐられているような気がした。

なんだろう、と思って足元を見ると、クロちゃんが私の足にすり寄っていた。



「クロちゃんーっ」



これ以上の幸せってあるのだろうか。
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