ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「芽衣ならそう言ってくれると思った」



思いがけない、奏多先輩の言葉。

落ち込みかけた感情が、一気に上昇する。

奏多先輩には敵わないや。

奏多先輩が、電子レンジにデニッシュパンを入れる。

スイッチを押した途端。

ふっ、と部屋の電気がすべて消えた。



「えっ、」

「真っ暗……っ」



お昼時、といっても、電気が消えてしまえば部屋は暗くなる。


なんで、急に電気が消えたの?

あたふたする私に、奏多先輩は頭をかいた。



「電気、使いすぎたか」

「え……?」

「ブレーカーが落ちたみたい。ちょっと見てくる」



そう言って奏多先輩は、部屋を出て行った。

残される私。

クロちゃんもなんだか不安げに、私の周りをウロウロしていた。


しばらくすると、パッと部屋の電気がついた。

再び動き出す家電たち。

奏多先輩も戻ってくる。
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