ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「戻ったね」

「はいっ」



ひとり暮らしって大変なんだなぁ、って改めて思う。

だって、ブレーカーが落ちたら自分で直さなきゃいけないもん。

覚えることとか気を付けることがいっぱいだ。



「あっ……」



奏多先輩が小さく声を漏らす。

その手には携帯が握られていた。



「どうしたんですか?」



私が問うと、奏多先輩は私に顔を向ける。

その表情は、少し困っているようにも見えた。



「Wi-Fiが繋がっていない」

「ブレーカーは直ったんですよね?」

「うん。ブレーカーが落ちたことでWi-Fiが途切れちゃったのかも」



それって。

Wi-Fiが使えなくなったらどうなるんだろう。

詳しくないから分からないけれど。

そんな疑問にも奏多先輩は答えてくれた。



「パソコンとか使えなくなる」

「えっ。それは早く直さないと!」



パソコンが使えないのは不便だ。

直さなきゃいけないものがあると、ソワソワだってしてしまう。

一刻も早く、直したいって思うのが自然な感情だと思う。
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