ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
……奏多先輩、焦っているよね。

少しずつ、奏多先輩の雰囲気が変わっていくのが分かる。

ピリピリしているというか。

焦りからなのか、声をかけづらい雰囲気だ。


……私にできることないのかな。

Wi-Fiを直すことはできないけど。

取扱説明書を読んでもちんぷんかんぷんだろうし。

どうしたらいいんだろう……。


私はおバカな頭をフル回転させる。

この重たくなってきた空気をなんとかして変えたい。

奏多先輩に、『焦らなくて大丈夫ですよ』って伝えたい。


言葉で伝わらないのなら。



「奏多先輩!」

「ん?」

「ちょと出掛けてきますっ」



私は奏多先輩の返事を待たずに、アパートを飛び出した。

向かうはご近所のスーパー。

私は一直線にスイーツコーナーへ走った。
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