ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
『ちょっと焦った?』

「ちょっとどころじゃないです……」



頬を膨らます私。

でも、良かった。

ユウさんは私のこと“友達”って思ってくれているんだ、って嬉しい。

私から見ると、ユウさんは“気になる人”だけど。

ユウさんは私のことを“友達”だと思ってくれている。


……やっぱり良くない!


確かに顔も知らない。

住んでいるところも知らないけど。

少しは“女の子”として意識してほしかったな……。


私の心は複雑に動く。

“女の子”として意識してほしい私と、会うことなんてないのだから、と悲しくなる私がいる。



『芽衣』



ユウさんの声が耳元で聞こえる。

電話越しじゃなくて、直接、耳元で声を聞きたい。


……寂しい。

本音を言えば会いたいよ。

ユウさんと同じ学校の人が羨ましい。

だって、毎日ユウさんと会えるんだよ?

私も、ユウさんと顔を見て話したい。

ユウさんの笑顔を見たい。

ユウさんに触れたい。

それは、願ってはいけないことですか?

こんなにもユウさんに心が奪われているのに。

会ったこともない人に、惹かれてしまうことは悪いことなんですか……?
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