ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「芽衣の気持ちを知っているのに、中途半端な態度をとる男なんて、やめちゃえば？」

「……」

「芽衣が幸せになれると思えない」



里紗先輩が私を心配してくれていることが伝わる。

だけど。

私の恋は、簡単に諦められる恋なのかな。

里紗先輩に言われたから、好きになるのをやめます……、っていうくらいの気持ちだった？


ううん。

私が奏多先輩を好きになったのは、そう簡単な気持じゃない。



「……奏多先輩のこと、諦めません」

「それはどうして？」



奏多先輩のことは、アバターゲームをしているときから気になっていた。

会いたいけど会えない人……。

そう思っていたのに、同じ学校で出逢うことが出来て。

話せるようにもなって。

困っているときはヒーローみたいに助けてくれて。

温かい人柄で、みんなから人気があって。


……私は平凡中の平凡女子。

奏多先輩の隣を堂々と歩けるような女の子じゃないけれど。

それでも、隣を歩ける日が来たらいいな、と思う。
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