ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
里紗先輩にメイクを教えてほしいと思っていたのは、前からだったから、その気持ちを伝えることが出来て嬉しい。

少し弾んだ気分で、甘々なコーヒーを飲む。

気分が違うと、味も変わるのか……。



「メイク道具はなに持っているの?」



里紗先輩が尋ねる。

ん?

メイク道具?



「メイク道具なんて持っていませんよ?」

「……え?」

「え?」



メイク道具自体を持っていないから、里紗先輩に最初から教えてもらえたら嬉しいな、って考えていたんだけど、その考えは甘すぎた?


はあ、と、呆れたようにため息をつく里紗先輩。

それから里紗先輩はテーブルの端に置いてあった伝票を持って立ちあがった。



「今からメイク道具、揃えに行くわよ」

「今からですかっ⁉」

「今からよ」



レジへと向かう里紗先輩。

私は慌ててコーヒーを飲んで里紗先輩と一緒にお会計を済ませた。
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