ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
『電話で言うことじゃないんだけどね』

「……」

『芽衣に触れたいって思ってしまうのは、俺だけなのかな』



え……。

切なそうな声のユウさん。

戸惑う私。


それって、どういうこと……?



『本当は芽衣に会いたいよ。それで、抱きしめたい』

「っ、」

『いつの間にか、芽衣に惹かれている自分がいる』



なんで。

なんで、今、そんなこと言うの。


我慢していたものが一気に崩れる。

会いたいなんて、私だって思っている。

だけど、会うことはできないから、ずっと心の中に隠していた感情なのに。


惹かれている、って。

私だって、ユウさんに惹かれている。

抱きしめていいのなら、抱きしめたい。

触れていいのなら、触れていたいよ。


涙線が崩壊する。

涙はとどまることを知らずに頬を伝う。



「うぅー……、」



声にならない声。



『さっきは、芽衣のことを“友達”って言ったけど、“友達”として見ることができない自分もいるんだよ』
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