ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「結城先輩っ、これはっ」



アキラくんが私のワイシャツから手を放す。

奏多先輩の表情は読めないけれど、決して良い空気ではないことぐらいわかる。

私とアキラくんの間に入ってくれる奏多先輩。

私を守るように立ってくれている。



「このまま教室戻るか、生徒指導室いくのか……。どっちがいい?」

「えっ、あ……っ」

「さっき、生徒指導室の先生を見かけたよ? ……どうするの」



ちらりと見える、アキラくんの表情は青ざめていて。

逃げるように校舎裏から出ていった。

校舎裏に残されたのは、私と奏多先輩だけ。

……今日も奏多先輩に助けてもらったな。



「芽衣。大丈夫?」



奏多先輩が私に向き直る。

私の頬にそっと手を添える。

熱くなっていく頬。

奏多先輩の手も同じくらい暑かった。
< 138 / 253 >

この作品をシェア

pagetop