ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
言葉にならない感情。

言葉の代わりに、涙があふれる。

肩の力が抜けたような、ふわふわした感じと、心を抱きしめてくれているような、じんわりとした温かさ。

それと、軽々しく“好き”と伝えることができないもどかしさ。

もどかしくて、切ない。



「……ひっく。……うぅ……っ」

『芽衣は泣き虫だね』

「ユウさんのせいです……」



泣いている私を抱きしめてくれるような、ユウさんの柔らかい声。

そっと、抱きしめられているように感じて、余計に涙が止まらなくなる。

あふれ続ける涙。

だけど、その涙は温かくて。

幸せな感情があふれかえっているようで。

思わず笑みがこぼれた。



「ユウさんと会えたときには、お弁当袋、渡しますね」

『お弁当袋のこと、すっかり忘れてた』

「ひどいっ」



そんな冗談も言える、心地良い時間。

ユウさんのおかげで、涙が笑顔に変わる。
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