ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
それから。

奏多先輩は私の額にそっと唇で触れた。


優しいキス。

心が温かくなって。

幸せで。

ぎゅっと心臓をつかまれたような、そんな感じ。


奏多先輩は涙を流す私の左手をとって、小指にピンキーリングをはめてくれた。

なんだか、プロポーズみたい。



「……これじゃぁ、プロポーズだね」



そう言って、くしゃりと笑う奏多先輩。

考えていることが一緒だった。

それだけでも嬉しくなる。


今日は、いっぱい抱きしめてもらって。

キスも……、してもらった。

ピンキーリングも一緒に探してもらって。

無事に見つかって。

小指にはめてもらって。

同じ温度を感じて。

これ以上の幸せなんてない。



「あっ……」



奏多先輩が声を漏らす。

視線の先に合ったのは、青く輝く空。
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