ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「告白同盟、勝手に抜けないでよーっ」

「……はい?」

「後夜祭に一緒に告白するって約束したじゃん!」



颯汰先輩の大きな声が教室中に響き渡る。

クラスメイトも作業の手を止めて、私たちを見ている。

なにこの羞恥プレイ。



「約束したのに、奏多とくっついちゃってさ!」

「それは……」

「しかも2人して俺に報告してくれないとか寂しすぎるっ」



……確かに、奏多先輩と付き合ったということは誰にも話していない。

里紗先輩は私たちの噂を耳にしたのか、付き合うことになった日の夜に電話をくれた。

だから、里紗先輩には電話越しで報告した。

てっきり、颯汰先輩には奏多先輩が話すのかな、って思っていたから、あえて私から言わなかったんだけど……。



「抜け駆けはズルい!」

「えっと、」

「だけど、芽衣ちゃんと奏多が幸せなら許す!」

「……颯汰先輩」



颯汰先輩の言葉に胸が熱くなる。
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