ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
我慢しなきゃ。

……だけど、本当に我慢するだけでいいのかな。

黙って悪口を聞くことは苦しくて辛い。

今まで、ずっと我慢していた。

悪口を言われても、大切なものを捨てられても。

どんなに酷い扱いを受けても、言い返すことなく我慢していた。



「芽衣ちゃん……」



私が我慢することで、自分の気持ちを伝えないことで、悲しんでしまう人もいる。

実際、颯汰先輩が心配そうな表情で私を見つめている。

そんな顔、してほしくない。


私がもっと強くならなきゃ、守れるものも守れなくなる。

私だけが我慢すればいい。

そう思っていたけれど、私が我慢することで私の代わりに心を痛める人もいる。
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