ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「嫌がらせや悪口を言うのは勝手だけれど、その行為で奏多先輩を笑顔にできると思っているの⁉」

「っ、」

「それでも嫌がらせしたいならすればいい! だけど、私は屈しない!」



はあはあ、と、息が切れる。

私は間違ったことを言っていない。


大丈夫。

私は自分の気持ちを伝えただけ。

伝えただけなのに。

どうしてこんなに涙があふれてしまうんですか。


ねえ。

……奏多先輩。



「芽衣の言葉に同感だね」



そう言って教室に現れたのは。

奏多先輩だった……。

奏多先輩は教室のドアに寄りかかりながら、鋭い表情で私たちの様子を見ている。

組んでいた腕をほどき、教室の中へと入ってくる奏多先輩。

そのまま私の隣に立った。
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