ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「……守れなくてごめん」



奏多先輩の苦しそうな声が降ってくる。

……そんな声、してほしくないのに。

奏多先輩には笑っていてほしいのに。



「頼りなくてごめんな」



そんなことないのに。

奏多先輩は頼りになるし、いつだって助けてくれる私のヒーローなのに。

私は奏多先輩の腕の中で首をぶんぶんと横に振る。

奏多先輩は十分すぎるほど、私を守ってくれているんですよ……?

その気持ちをどうにか伝えたくて、私は奏多先輩のシャツをぎゅっと握りしめる。



「俺だって芽衣の笑顔、守りたいんだよ……」



芽衣の笑顔、守りたい……。


その言葉は私の胸に突き刺さった。

奏多先輩が私を大切にしてくれていることが伝わる。

それが嬉しくて。

幸せだな、って思って。

私の涙腺は崩壊。



「うぅ……、ひっく、」
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