ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
このドアを誰かが開けてくれることなんてないのだから、自分で開けるしかない。

私は深呼吸をひとつしてから、教室のドアを開けた。


ガラガラッ。

クラスメイトの視線が一斉に集中する。

ドクドクと脈が速くなる。

教室に戻ってきたはいいけど、なにを言えばいいのか。

どんな表情をすればいいのか分からなくなってくる。


そんなとき。



「望月さん」



ピンキーリングを投げ捨てた、あの女の子集団が私のもとへやってきた。

なにを言われるのか怖くなってきて、自分の表情が硬くなってきたのが分かる。

だけど、それは一瞬のことで。

目の前に立つ女の子3人が頭を下げた。



「酷いことばかりして、ごめんなさいっ」

「えっ……」

「許してほしいとは言わないけど、謝りたくて」



その声を先頭に、他のクラスメイト達も『ごめんなさい』と言う。
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