ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
私、望月 芽衣。

高校1年生になりました。

南部高校に入学してから2週間。



「望月さん! 掃除当番、代わってくれる?」



帰り支度をしている私のところへやってきたクラスメイト。

胸の前で手を合わせ、申し訳なさそうな顔をしている女子3人組。

先週も『掃除当番、代わって!』と、頼まれた気がするんだけどな。



「急にバイト先から呼び出されちゃって。ごめんね!」

「えっと……」

「だから、お願い!」



そう言って、教室からバタバタと出ていく彼女たち。


……断る余裕さえなかった。


『バイト先からの呼び出し』って言っていたけれど、あれは嘘だよね。

気合いの入ったメイクに髪型。

多分、放課後の合コンにでも行くんだろうな……。



「はぁ……」



静かにため息をつく私。

今日も掃除当番……。

昨日は『理科準備室にクラス全員分のノートを運んで欲しい』と、頼まれた。

一昨日は『花壇の水やりをお願い!』って、水まき用のホースを渡された。
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