ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
そう思いながら、イケメン先輩を見る。

あ、ピアスしている。

そういえば、ユウさんもピアスしているって言っていたなぁ。


イケメン先輩と隣を歩く、男子2人。

……楽しそう。

友達がいるって羨ましい。



「でさー。昨日のテレビ見た?」

「見てない」

「なんでっ」



男子先輩たちの喋り声が耳に届く。



「なんで、って。……電話していたから?」



イケメン先輩が、少し気だるそうに答えた瞬間。

私の足が止まった。


1メートル先に、“彼”がいる。



「電話って、相手は⁉ 女の子⁉」

「……まあ、」



小さな声で呟いた“彼”。

全身の力が抜ける。

そう思った瞬間。


バサバサッ!

抱えていたノートが腕から落ちた。

派手に散乱するノートたち。

すれ違う瞬間だった先輩たちも驚いて、私を見る。
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