ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「どうしたんですかっ?」

「……」



私の質問にも答えてくれない奏多先輩。

連れてこられたのは、ガランとした空き教室だった。

そのまま教室の中に入ると、奏多先輩は鍵を閉めた。



「奏多先輩?」



首をかしげる私に、奏多先輩はため息をつく。

私、なにかしちゃったかなぁ、と考えていると。

握られていた手を思い切り引っ張られ、そのまま奏多先輩の腕の中にすっぽりとおさまった。


ドキドキする心臓。

鼓動が聞こえる。

これは自分の鼓動なのか、奏多先輩の鼓動なのか。

分からない。



「芽衣は無自覚すぎ」

「……え?」

「そんな格好して、変な奴に襲われたらどうするの」



奏多先輩の声が耳元で聞こえる。

……近い。

近すぎます……。
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