ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「聞いているの?」



奏多先輩の声にドキドキして、言葉が出ない。

変な緊張で体が固まってしまう。

それを知ってか知らずか、奏多先輩は私の耳元でささやく。



「……分からない人にはお仕置きだね」



そうささやかれた瞬間。

奏多先輩は私を抱きしめたまま、唇にキスを落とした。

長いキス。

息ができない、と思ったときに唇が離れる。

そして再び、何度もキスを落とされる。

唇、頬、額、首筋……。

色んな所にキスの雨が降り注がれる。

ドキドキしすぎて心臓が持たない。



「かな、た、せんぱ、いっ」

「……可愛い」

「可愛くなんかっ、」

「可愛いよ。……泣かせたくなる」



泣かせたいって……。

奏多先輩のいじわる……。

止まることを知らないキスの嵐。


くすぐったくて。

ふわふわした気持ちになって。

溶けて消えてしまいそうな感じだ。
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