ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
ここにいる全員が私たちを見る。



「結城先輩、早く行かなきゃですよ!」

「望月さんもコンテスト、頑張って!」



クラスメイトたちが私と奏多先輩の背中を押す。

『早く体育館に行ってください』と、言うように。


だけど。



「衣装着たままじゃ、さすがに……」



せめて制服で行きたい。

コスプレしながらステージに上るなんて恥ずかしい。

それは奏多先輩も同じようで。

少し苦笑いをしていた。



「衣装が似合っているから、問題はないよ!」

「そうだよ! むしろ、衣装着てステージに立って!」

「宣伝にもなるからな!」



クラスメイトの勢いに圧倒された私たち。


私は奏多先輩と顔を見合わせた。

……制服で行くのはあきらめよう、と。
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