ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
「宣伝もしてくるね……?」

「よろしく!」



私が言うと、クラスメイトは嬉しそうにしていた。

宣伝あってこそ、クラス店も盛り上がるもんね。

みんなが、クラス店を頑張って作り上げていたの、私は見ていたから。

クラス店人気ランキングが上位に入れるように、宣伝もしておこう。

今の私にできることはそれくらい。


気合を入れなおして、私は教室を出た。

廊下を歩いていると、奏多先輩が私の頭に手を置いて、ぽんぽん、と撫でた。

『どうしたんですか?』と私は奏多先輩を見上げる。

奏多先輩は優しく笑っていた。



「芽衣は芽衣だね」

「どういうことですか?」

「クラスのために衣装着てステージに上るなんて、優しくて強いなぁって」



優しくて強い?

私は任されたことをやっているだけなのに。

考えても分からない。
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